一般に教育産業では、「家庭教師」というと、中学校・高等学校等の受験指導や補習指導をする、大学生アルバイトを含む家庭訪問教師を表します。ですから、大人の方を対象に、試験対策や語学、実学などを指導する家庭教師事業は、ほとんど行われてきませんでした。近年、就職やキャリア・アップのために資格や技術が重要視されるようになり、また、大人を対象にした資格スクールや語学スクールが数多く展開されている中で、どうして、こうした領域の家庭教師事業が盛んではないのでしょうか。この背景としては、以下のような理由が考えられます。

　第1に、中学校等の主要科目という、従来型の家庭教師の指導分野に比べ、大学生以上の方々の学習分野は、極めて専門多岐に渡るため、ある地域におけるある分野の学習を希望する受講者数と、その地域における、当該分野を専門とする教師数の双方が少ないため、事業として成立しにくいことが挙げられます。すなわち、ある分野の指導を受けたい受講生がいても、その分野の専門教師を地域で探すのは困難であったり、また、教師がいても受講希望者がいなかったりという、「専門化の壁」と「地域の壁」があったわけです。

　しかしながら、高速インターネット技術や通信費低下により、互いに離れたところにいる受講生と教師とが、そうした通信手段を使って容易にコミュニケーションできるようになりました。IT革命は、家庭教師のあり方を変えるに至ったのです。

　第2に、大人の学習者が、専門家による家庭教師指導を受けるならば、その費用がかかりすぎるため、子供の受験のためならともかく、自らの学習のためには利用できないことが挙げられます。教師が通常2時間程度の指導のために時間をかけて受講生宅に訪問するとなると、それに見合った授業料が発生します。さらに、小・中・高校の学習レベルに比べ、学習内容が高度になったり専門的になったりすると、指導を担当できる教師もそれなりの専門家に限られてきますし、教師の指導準備負担も大きくなります。加えて、一般の家庭教師会社は、生徒確保のための広告宣伝費や勧誘要員の人件費などの多額の費用がかかるため、教師に支払う時給の2倍程度の授業料を、生徒側から徴収しますし、過剰な利益を得ようとする業者になると、3倍程度にもなります。裕福なご家庭ですと、かなりの授業料を払い、子供の受験のためにプロの教師に指導してもらっているようですが、自らの学習のために高額な授業料を支出できる方は、ごくわずかでしょう。

　しかしながら、当学院の「通信家庭教師」では、教師は、仕事の合間や自宅での生活時間の中でインターネットを使って指導を行うことができ、教師が受講生宅に訪問したり、受講生が教師宅に訪問したりするのに比べ、ずっと効率的です。また、出張時間がかかりませんので、その分多くの受講生を担当するのも容易です。そのような状況のもとで発生する授業料は、従来型の家庭教師スタイルに比べ、低下するはずです。加えて、本事業はインターネットの世界を最大限利用して効率的に運営されているため、余分な経費を受講生に転嫁しないのです。これらの理由により、お客様の経済的負担を軽減させることが可能になったのです。

　第3に、大人の学習者は、家庭教師に1対1で指導してもらわなくても、独学や、各種スクール、通信教育で学習できることが挙げられます。家庭教師業界では、指導対象の中心は小・中学生であり、以下高校生と続くものの、そのシェアは小さくなります。すなわち、一般に、幼少から成人へと年をとるにしたがって、人間の自己学習能力は高まっていくものと思われます。

　しかしながら、そうした学習方法が最適なものでしょうか。独学、既存の各種スクールや通信教育の利用、これらは、確かにメリットもあれば、デメリットもあります。次項で詳述するように、当学院の「通信家庭教師」は、これらのメリットを最大化し、デメリットを最小化するように意図された、画期的な教育システムです。当学院の斬新なアイディアが、社会教育の新たな可能性を開拓したのです。